オープンイノベーションのプラットフォームの特徴と種類について解説

近年日本国内でも外部との連携を図り事業を推進していくオープンイノベーションの導入が広まっています。ここではオープンイノベーションに必要不可欠な協業先を見つけるためのマッチングプラットフォームについてご紹介していきます。

オープンイノベーションとは？

オープンイノベーションとは、2003年にハーバード大学経営大学院の教授であったヘンリー・チェスブロウが自身の著書で提唱した経営戦略の手法の一つです。日々変化する経済社会において企業がイノベーションを実現するためには、従来の自社のリソースのみを利用し開発から市場までのプロセスを推進するクローズドの経営戦略だけでは限界を迎えています。しかし、社内外問わずリソースをオープンにし、製品開発や技術の革新、研究などを自社のみの組織内だけでなく外部が持つリソースを効率的に利用し共有することで一企業の枠を超えたイノベーションの創造を実現することが可能になり、結果市場機会の拡大を見込むことができるのがこのオープンイノベーションです。

オープンイノベーションについて詳しく解説→市場拡大に重要！オープンイノベーションとは？特徴やクローズドとの違いを解説

プラットフォームの活用と探すポイント

オープンイノベーションの導入には、自社以外の外部の協業先を見つけることが必要になってきます。近年日本国内でも導入する企業が増加しつつあり、企業同士のマッチングができるプラットフォームも増えてきています。ここではイノベーションの実現や目標達成のためにプラットフォームを有効に活用するポイントをここではみていきましょう。

目的を明確にし必要リソースを見極める

オープンイノベーションでは双方の企業にとって有効な協業先を見つける必要があります。どんなに魅力的なプロジェクトでもお互いの目的や達成したい内容、双方にとって良い利益を生むことができる企業との連携が重要ですので、まずは自社の目的を明確にし協業先の選定をすることが大切です。また、安易に全て協業先に頼りきりになると自社での開発力の低下や、利益率の低下にもつながりかねない為、自社にとって何が必要で逆に自社でまかなうことができるリソースは何かを見極めることも重要になってきます。

自社のリソースをオープンに

オープンイノベーション導入を希望する企業は、自社にはない知識や開発技術を他社へ求めています。そのため、プラットフォームを利用する際は自社が持つリソースを具体的に提示することで協業先のマッチングを高めることができます。ただし、他社へオープンにする情報について社内の情報をどこまで公開するか事前の取り決めを怠ると情報の漏洩リスクも高まり、結果自社にとっての損害や不利益の原因にもなりかねませんので注意が必要になります。

プラットフォームの種類

日本国内に存在するプラットフォームにはいくつか種類があり、それぞれ異なる特色があります。ここでは日本国内の主なプラットフォームとその特徴についてご紹介します。

海外企業との連携に特化したプラットフォーム

協業先を国内の企業だけではなく海外企業との連携をしたい企業におすすめの、海外企業との連携に特化したプラットフォームです。

Agorize Japan

運営会社：株式会社グローバ
特徴：ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界中に500万人のイノベーターを持つ海外企業との連携に特化したプラットフォーム。海外でのスタートアップや海外人材の確保、海外でのマーケティングを行いたい方におすすめです。

国内企業との連携に特化したプラットフォーム

AUBA

運営会社：eiicon company (エイコンカンパニー)
特徴：日本最大級のオープンイノベーションマッチングプラットフォーム。様々な業界の2万社の登録があり、大手企業からスタートアップまで日本全国の企業が参加している。

Creww

運営会社：Creww株式会社
特徴：オープンイノベーションプログラム開催、百数十社以上の実績を誇るプラットフォーム。スタートアップと大手企業の連携による新規事業の創出を目指すプログラムがあり、スモールスタートで考えている方にもおすすめです。

NINE SIGMA

運営会社：ナインシグマ・ホールディングス株式会社
特徴：オープンイノベーションが普及していない2000年よりサービスの提供を行うプラットフォーム。世界に800社以上のクライアントを持ち、自社の課題や目標に応じ連携する企業を探すことができます。

SDGsオープンイノベーション

運営会社：一般社団法人SDGsオープンイノベーションプラットフォーム
特徴：環境や社会課題の解決など持続可能な社会を目指す事業に特化したプラットフォーム。国内外における企業とのマッチングによりSDGs達成に向けた事業の実装化のサポートを提供しています。

研究・技術者との連携に特化したプラットフォーム

PLANET AIDeA

運営会社：テクノポート株式会社
特徴：研究、メーカー、製造技術など企業だけでなく政府研究機関や個人など幅広く「技術提供者」とのマッチングをサポートするプラットフォーム。技術的な課題や事業に参加する人材をみつけたい方におすすめです。

Open Idea

運営会社：株式会社サーキュレーション
特徴：企業間同士の連携ではなく個人単位でのマッチングをサポートするプラットフォーム。10,000名以上の様々な分野の専門家の視点でアイディアを募ることが可能です。自社でのリードを保ちつつ事業推敲したい方におすすめです。

政府の機関が運営するプラットフォーム

Japan Innovation Bridge（J-Bridge）

運営会社：経済産業省
特徴：政府機関がJETROに創設したプラットフォーム。日本国内の企業で主にデジタル技術等を活用し海外企業との協業を支援しています。

クローズドの環境でマッチングが可能なプラットフォーム

Linkers

運営会社：リンカーズ株式会社
特徴：ものづくりに特化したプラットフォーム。全国500カ所以上の支援機関と連携をとり案件に最適な企業のマッチングが可能です。独自のネットワークとマッチングシステムを持っており、クローズドの環境でオープンイノベーションを導入することが可能です。自社の情報の漏洩など懸念されている方におすすめです。

プラットフォームを利用し新たな価値を共創しよう！

企業がイノベーションを創出するためには協業する企業や個人を見つけることがとても重要になります。プラットフォームを利用することで、自社に必要な人材や知識、技術を効率的に見つけることが可能になります。

自社の課題や達成したい目標などを明確にし、最適な協業者との連携により自社の力だけでは実現できなかった新たな価値を効果的に生み出していきましょう。

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